音・暗・闇 の話

音・暗・闇 の3つを見ていきましょう。

門というのは、神を祭る戸棚の扉の形であり、
その中で、器(=サイ)と針を置いて祈る、と。
そうすると、神が反応して音を出す、と。

この器と針、そして神のかすかな響きを示したものが「音」という字になる訳です。

やみの中で神のお告げを聴く。
「闇」は、夜更けの中で神の訪れがある、というもの。
その状況が「暗い」ということに繋がる、とも説明しています。

現代では、くらやみの中「聴こえる!」だなんて言い出したら、危ない人認定ですが、
古い時代であれば、聴こえる人=すごい、ということなんでしょう。
だからこそ、巫覡(=ふげき、シャーマンのこと。白川の本では、しょっちゅう出てきます。)は、重用されていたのでしょう。

ここで、「耳」「聖」「聴」といった、耳をパーツに持つ字のお話にも繋がるんですが、まあそのうち。

*実際には、白川文字学の基本である「サイ」とか、入れ墨用の「辛(=針のこと)」の話とか
色々出てきてますが、今回はちょっと割愛します。

白川の考え方は、全体を通じてストーリー的であったり、魔術的であったりオモシロイ解釈でありますが、
勿論、このような考え方に対する批判もあります。

★一方、鎌田&米山では、割とシンプルです。
「暗」というのは、くもっていて太陽がなく、くらい。

すごく、シンプル。
音を表す(=音符の)「音」が、「陰」に通じるみたいですね。

では「闇」はというと、「門」を閉じることで、くらくするということ。
ここでもまた、音を表す(=音符の)「音」が「暗」に通じる、と。
これもまた、考え方はすごくシンプルです。

*忘れないように覚え書き。
闇と、病みが、おなじ「やみ」なのは、何か意味があるのだろうか・・・。

最後にちょっと蛇足を。
闇(アン)は、現代では暗(アン)に書き換えてます。
例えば、闇黒は暗黒。
中学生が好きそう。

以上、音・暗・闇の話でした。

参考文献
『常用字解』平凡社:白川静
『新漢語林』大修館書店:鎌田正・米山寅太郎